【豪州のアジア人観光客倍増へ:20年に中国人100万人突破か】

2012年8月31日

【オーストラリアも世界に負けじとカジノ建設を加速させるか?】
オーストラリアへの観光客の増加が目立っているようです。
カジノが牽引役と言うわけではないようですが、
豪政府観光局はカジノの増設を望んでいるようですね!

【豪州のアジア人観光客倍増へ:20年に中国人100万人突破か】
豪政府観光局(ツーリズム・オーストラリア、TA)はこのほど、アジアから豪州への観光客数が2020年までに倍増するとの予測を明らかにした。中でも中国人観光客が急増すると見込まれている。この予測を受けて、バーや喫茶店、ホテルなどサービス産業での従業員不足が懸念されており、求人件数は10万件に上るとみられる。30日付澳洲新快報、オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(AFR)などが報じた。
TAのマクイーボイ代表は、20年までに年間100万人以上の中国人が豪州を訪れ、約100億豪ドル(約8,122億円)を消費する中で、食事への消費が最も多くなると予測。28日に行われたメルボルンでの会議の際に、今後、豪州観光産業の発展で特に人気を集めている食に焦点を当てていく方針を示した。
TAは、今後8年で中国人観光客の数が40%以上増加すると予測している。その中で、豪州ホテル協会(AHA)のクロウ会長は、豪州人が敬遠するような一部の職種では外国人スタッフの需要が急増すると指摘。現在の失業率は5%前後だが、サービス産業では人材確保が難しい状況だとし、政府当局と積極的に協力して解決していきたいと述べた。
豪政府統計局(ABS)が発表した今年6月の中国人観光客数は、前年同月比18.9%増の5万3,400人で、単月では3月に初めて5万人の大台を突破して以来、4カ月連続での5万人超えとなっている。中国からの観光客が増える背景には、人民元が対豪ドルで安定していることなどがあるようだ。
デロイト・トウシュ・トーマツ傘下のシンクタンク、デロイト・アクセス・エコノミクス(DAE)の調査によれば、豪州を訪れる中国人観光客の数は2002年比で350%増となっていることも分かっている。DAEのラクラン・シマール氏は、中国のほか、インドネシアやマレーシアからの観光客も大幅に増えている点も指摘した。

■カジノ建設を支持
マクイーボイ代表はまた、クラウンカジノが計画しているメルボルンやパースでのカジノ経営計画およびシドニーのバランガルーでのカジノとホテルの建設計画について、アジアからの観光客をひきつける観光スポットになるとして、支持する立場を表明した。「買い物や食事、娯楽はアジア人観光客が求めているものであり、クラウンカジノが提供できるものだ」とコメントしている。ただし、すべての観光産業が高所得者の観光客向けに調整していくのではなく、バランガルー開発では3~4つ星クラスの客室を少なくとも1,000室分確保するべきだとした。
このほか、アジア人観光客が増加する中で、観光地での禁煙規制なども課題として浮上することが予想されている。

■ホテル産業も好調
一方、国内観光客の数は1999年の水準をいまだ下回っているものの、1~3月は前年同期比で5.4%増加。同氏は、国内観光産業が完全に回復したとみるのは時期尚早だが、その兆しは見え始めていると述べた。
海外および国内からの観光客が増加傾向にあることで、ホテルの客室稼働率も上がっているようで、AFRによると、今年1~3月は2007年に記録した65.7%を超え、65.8%に達した。今後3年は微増ながらも上昇傾向をたどる見通しで、それに伴い、宿泊料金の高騰やホテル投資も予測されている。